家族信託のしくみー主な用語の解説

「信託」の言葉の意味

信託とは信用して委託すること。特に、他人に一定の目的で財産の管理や処分をさせることです。

 

信託の種類

信託の種類には、「個人向け信託」「法人向け信託」「公益・福祉のための信託」の3つがあります。そして信託の形式で分類すると、商売として信託を扱う「商事信託」と営利目的以外で信託を行なう「民事信託」の2つがあります。

 

民事信託の方法

民事信託を行う方法には、「契約信託」「遺言信託」「自己信託」の3通りがあります。「契約信託」とは、財産の管理を委託する人と受託する人で契約を結ぶ方法です。

 

民事信託の目的

民事信託の目的とは、財産管理を委ねる人が望むことです。誰かに財産の管理を任せるという事は、何らかの願いや期待をもってそうするはずです。ですから民事信託を行う際は必ず目的が存在します。

 

たとえば、「自分の老後の安心設計のため」「円滑な相続・事業承継を実現するため」「資産の有効活用のため」などが考えられます。そして、その目的は契約書の中に明記され、受託者はその目的に従って、信託財産を利用します。

 

民事信託の内容

民事信託を行うには、まず「何」を任せるか、つまりどの財産の管理を委託するかを決めて契約書の中に明記します。次に、「誰」がそれを行うかをはっきりさせます。そして「どのように」管理するか、その方法についても決めて、契約書に含めます。

 

民事信託の登場人物

民事信託を設計することは、現在から自分の老後、死後、その後の何十年先までも続く物語づくりと考えることもできます。

 

そこには「モノ(財産)」とそれを取り巻く「ヒト」がいます。そして登場人物は財産管理を任せる人を任せられる人の二人だけとは限りません。

 

では、民事信託の登場人物のそれぞれの役割についてまとめてみましょう。

 

「委託者」・・・財産を預ける人のことです。

 

「受託者」・・・これは財産管理を引き受ける人です。

 

「受益者」・・・財産から経済的利益を受ける人です。委託者が受益者になるケースが多いですが、他の人を受益者にすることもできますし、受益者の死後の次の受益者を指定しておくこともできます。

 

また受託者が受益者になることもできますが、その場合はその時点から1年が経過すると、信託契約自体が終了することになります。

 

以下は必要に応じて登場させることができる人物です。

 

「信託監督人」・・・受託者が目的通りに財産を管理しているかを監督する人です。
「受益者代理人」・・・受益者のために受益者に代わって権利を行使する人です。
「受益者指定権者」・・・受益者を指定したり変更する権利を持つ人です。
「同意者・指図権者」・・・受託者の行う行為に対して同意や指図する権限を持つ人です。
「信託事務処理者」・・・信託事務の処理を、受託者から委託された人です。
「信託管理人」・・・受益者が現に存在していない場合に受益者のために権利を行使する人です。例えば、まだ生まれていない子供が受益者となっている場合などに登場します。

 

このように民事信託では、様々な人物を関わらせることで介護や相続を、いわば団体戦にすることができ、一人だけで遺言書を作る場合のような個人戦とは異なった利点があります。

 

民事信託の効力

民事信託を行うと、それは単に当事者間の約束事というだけでなく、第三者に対しても効果が及びます。

 

例えば、実家の土地建物を委託すると、その名義は受託者のものに変更されます。ですから、受託者は目的に従って実家の土地建物を自分が契約の当事者となり、第三者に売却することができます。

 

契約信託では、契約を締結した時から効力が生じますが、その効力が及ぶ期間について制限はありません。

 

しかし、受益者が交代するような「受益者連続型信託」にする場合は、設定時から30年経過した後に受益者となった人が死亡した時点で信託は終了します。

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